研究概要

水素錯体–ヒドリド含有物質の探索

イメージ 水素は、それ自身が有用なエネルギー源であるのみならず、原料としてもちいることで、今までにない優れた性能を示す様々なエネルギー関連材料をつくることができます。 数万気圧の高圧水素を発生させることのできる高温高圧合成法を利用して、水素を高密度に含み、超伝導材料やイオン伝導材料などとして利用可能な「水素錯体–ヒドリド含有物質」の研究を進めています。

高密度水素貯蔵材料の合成

イメージ 水素社会では、高密度に水素を貯蔵する技術が求められています。金属水素化物(水素貯蔵材料)は、格子隙間に水素を原子として含有することができ、高圧水素ガスや液体水素と比較してコンパクトな水素貯蔵が実現できます。 そこで、金属水素化物の水素吸蔵・放出反応を原子レベルで観測して反応機構を解明し、より高密度に水素を含有する新たな水素貯蔵材料の創製へ展開する研究を進めています。

多価イオン伝導材料の合成

イメージ 二次電池における性能・安全性・環境負荷等の課題を克服するために、固体電解質としてマグネシウムやカルシウムなどをキャリアとした多価イオン伝導材料の開発が望まれています。 ホウ素系水素化物において発見したリチウム高速イオン伝導の機構解明をとおして、より高価数を有するカチオンを含むイオン伝導材料やそれに最適な電極材料の研究を進めています。



次世代蓄電デバイスの設計(実験・デバイス化)

イメージ 従来の二次電池のエネルギー密度を凌駕する次世代型蓄電デバイスとして、全固体電池や多価イオン電池等が期待されています。錯体水素化物系材料を用いた固体電解質や電解液を新規に開発し、次世代型蓄電デバイスへの実装に取り組んでいます。 ナノ界面構造制御やプロセス開発を通じ、新たな「デバイスコンセプト」の開拓に関する研究を進めています。

水素化物新機能の設計(理論・数理科学)

イメージ 理論・数理科学を駆使し、実験的には観測困難な水素を多量に含む水素化物の性質を正しく理解するための新たな解析手法を開発するとともに、近年発見された巨大圧力熱量効果など、水素化物に秘められた新機能の開拓を進めています。